ハセガワ 312 T "1975 DUTCH GP"   掲載開始:2012/5/26  完成日:2012/08/01

 
1.Ferrari312T “1975 DUTCH GP”の製作

ハセガワの1/20 フェラーリ312TオランダGP仕様を製作します。
今回は、専用のエッチングパーツの使用と、プラグコードやフェールパイプなどの最小限の追加工作をおこない製作していきます。
2.アッパーカウルの作成

カウルは、アッパーカウルとサイドカウルに分割されています。
アッパーカウルは、赤色と白色の塗りわけラインで分割されていますが、実物は一体カウルなので、接着しパテで整形します。
また、パーツG5(ヘッドレスト部分)とカウルの接着部分は目立ちますのでパテで整形します。
3.サイドカウルの製作

サイドカウルは2つのパーツで構成されています。
パーツA2、A3のサイドカウルに、アイアウトレットのA7、A8のパーツを接着しますが、段差が目立たないように、パーツA7、A8を薄く加工(写真の白丸部分)してから接着してください。
4.カウルの仮組みと加工

カウルの各パーツを接着し、出来上がったカウルを、シャーシーモノコックパーツ(B1)を使用して仮組みします。
各カウルの合わせは良いのですが、左側サイドカウルの後部に僅かですが隙間ができます。
隙間のできる箇所(写真の白丸部分)に0.3mmのプラ板を接着し、ヤスリで削
って調整します。
5.カウルの塗装

カウルの仮組みが終われば、塗装をおこないます。
サーフェイサーを塗装し、パテの修正箇所、ヒケ、パーティングラインの消し残しなどの確認をおこないます。
問題が無ければ、クレオスのクールホワイトでカウル全体を塗装します。
白色が乾燥すればマスキングをおこない、赤色を塗装します。
312Tの赤色は明るい 印象があるので、ガイアのブライトレッドを塗装しました。
赤色については、各自好みの赤色を塗装すれば良いと思います。
マスキングテープを剥がした後は、色の境界をサンドペーパーでこそぎます。
決してゴシゴシ磨かないように。
6.デカール貼り

デカールは、赤色の上に白色のラインデカールを貼っても透ける事の無い、カルトグラフの良質なものですが、少し柔らかめで、マークソフターなどのお世話になることは無いのですが、その分、ラインデカールの扱いには注意が必要です。
じっくり時間を掛けて、納得のいくまで貼り直してください。
決して酔っ払って貼ったりしないでください。
ヨレヨレになってしまいます。すいません!!


7.エンジンの組み立て

キットでは、プラグコード、フューエルパイプは付いていませんので、少し手を加えてディテールアップします。
まず、イグニッションパーツ(E14)に成型されているディストロビューターと燃料ポンプに0.4ミリの穴を12個開けます。ディストロビューターの上面には凹がモールドされているので、それを目印に穴を開けます。
燃料ポンプの方は、何もモールドされていないので、適当に穴をあけます。
穴が開けられれば、イグニッションパーツ(E14)をエンジン本体に接着し、プラグコードには、HIROのカラーコードの黒色を、フューエルパイプには手芸用の透明ゴム紐0.3ミリを使用し、少量の瞬間接着剤を先につけ、穴に差し込み接着していきます。
プラグコードの先は、ヘッドカバーにモールドされているプラグコード差込口に0.4ミリの穴を開け、プラグコードの先に瞬間接着剤を少量つけ差し込んでいきます。
フェールパイプの先は、本来フェールインジェクションに接続されていると思われますが、フェールインジェクションは割愛されているようなので、インテークマニフォールドに0.4ミリの穴を開け、そこに差込ました。
エアファンネルとファンネルカバーはグレードアップパーツの物を使用します。ファンネルカバーは少量のエポキシ接着剤で接着します。

8.リア足回りの組み立て

組み立て説明書に従って、丁寧に塗装をします。
クリアパーツで成型されているブレーキダクトは、塗装指示ではクリアーイエローとクリアーオレンジ半々にフラットベースとなっていますが、作例ではスモークを吹き少し汚れた感じにしました。
マフラーは、フィニシャーズのエンジンブルーを下地に塗装し、つや消しのホワイトを、少し青味が残るように吹き付けました。
組み立て説明書に、順番に組み立ててくださいとあるところは、その指示に従ってください。
サスペンションパーツなど、接着面の小さいパーツの接着には、流し込みタイプの接着剤などを使用し確実に接着してください。
9.フロント周りの組み立て

組み立て説明書どおり塗装し、指定どおり順番に組み立てるだけで、簡単に実感あふれるフロントサスペンションが出来上がります。特に注意する箇所はありません。


10.コクピットの組み立て

コクピットの組み立ての前に、ロールバー(パーツナンバー:F9)に成型されている ボンベを、塗装をし易くするために切り離します。
メーターパーツ(パーツナンバー:D4)の裏側には、大きな凹があるのでパテで埋め ておきます。
パテの成型が終われば、メーターケーブルを差し込むための穴を開けておきます。
オイルタンク上面パーツ((パーツナンバー:F6)には、ヒケが目立つので、ここもパテで埋めておきます。
組み立て説明書の指示に従い塗装します。
シートベルトは、グレードアップパーツに付属しているものを使用しました。
一応メーカーラベルも印刷してありますが、不鮮明だったので、キット付属のデカールを貼り付けました。
やはり、エッチングのバックルは効果抜群ですね。
ロールバーから切り離したボンベは、ハセガワのフィニッシュシリーズの白色を細切りにしたものでロールバーに巻き付けます。
メーター裏側に開けた穴に、0.5ミリのゴム紐を差し込み接着します。
中央のタコメーターには、内径0.5ミリの真鍮パイプなどを差し込み、それっぽくしました。
ケーブルは左右に振り分け、エンジン部へ伸ばしておきます。
11.ウィングの組み立て

翼端板はグレードアップパーツの物を使用しますので、フロントウィングパーツ(パーツナンバー:M5)の翼端板取り付け用のダボは削り取っておきます。
リア翼端版のエッチングパーツは、塗装準備としてプライマー→サフェーサーを塗装し表面をきれいにし、ホワイト→ブライトレッドを塗装しデカールを張ります。
ウィング本体は、フィニッシュシリーズを貼り付けて、ピカピカのアルミ表現でも良いのですが、今回は、塗装で少し使い込んだ感じにしたいと思います。
シルバー塗装なので、サフェーサーを塗装し表面をきれいにしておきます。一応、下地にグロスブラックを塗装しておき、クレオスのメッキシルバーNextを、通常、ピカピカにする場合は、エアブラシの圧を下げサッサッサーッと吹き付けるのですが、手の移動を少しゆっくり目にし、多めに様子を見ながら吹き付けます。
すると、どうでしょう、そこにはピカピカではない少し使い込んだアルミ地肌が現れました。
塗装が乾燥すれば、デカールを張ります。なお、ウィング本体にはクリアコートしません。
12.研ぎ出し

クリア塗装が乾燥しているのを確認し、いつものように、1200番のサンドペーパーを使用し水砥ぎします。サイドカウルは結構角があるので、砥ぎ過ぎて下地を出さないよう注意してください。
全体の研ぎ出しが終われば、ハセガワのセラミックコンパウンドで磨きます。
最後に、筋彫り部分に入って乾燥しているコンパウンドを、ブラシできれいに取り除いておきます。

13.最終組み立て

リアウィングは、垂直・水平をよく確認してウィングステーに固定します。
メーターケーブルは、フロントラジエターからエンジン部に伸びる配管にフィニッシュシリーズ・ジュラルミンの細切りで固定し、ケーブルの先はエンジン前部とシャーシーの隙間に差し込んでおきます。
組み立て説明書の順番通りにカウル類を取り付け、最後にタイヤを取り付けて完成となります。
製作途中に、NSR250の製作や、ツール・ド・フランス(自転車レース)が始まってしまい、完成までにえらく時間が掛かってしまいましたが、組み立て説明書は21工程で1日1工程で進めたとして、3週間あれば余裕で完成させられると思います。
このキットで一番気を付けたいところは、カウルの合わせで、ここは、十分に時間を取って納得のいくまで調整してください。
他には問題になるようなところは無く、簡単に精密感溢れる312Tを手にする事ができると思います



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